1808年10月に起こったフェートン号事件って知ってますか?イギリスの軍艦フェートン号が、長崎に無断で侵入して日本をびっくりさせた事件です。当時、日本は鎖国していて、オランダと中国以外の国とはほぼ接触していなかったのですが、突然イギリスの船が来て、オランダ船を捕まえようとして大騒ぎに!この事件で日本は、「そろそろ西洋とちゃんと向き合わないといけないかも…」と気づくきっかけになったのではないでしょうか。
この時点では、まだ「よし、英語を学ぼう!」とはなりませんでしたが、西洋との接触が現実的な問題となり、外国語、特に英語が重要になってくるという空気が徐々にできてきました。その後、1853年のペリーの黒船来航や開国を経て、イギリスやアメリカとのやりとりが増え、いよいよ英語が必要だ!という流れに。
幕末から明治時代にかけて、多くの外国人教師が日本に来て、英語を教えるようになりました。技術や軍事、外交で英語は欠かせない存在になり、日本の英語教育がどんどん進んでいく勢いであったと思います。
伊村元道先生の『英語展望』ご寄稿
この歴史について詳しかったのが、今年3月にお亡くなりになられた伊村元道先生。フェートン号事件が日本に与えた衝撃と、それがどうやって英語教育にまでつながったか、先生は詳しく教えてくださいました。思い出すと2008年のこと、ちょうどフェートン号事件200年にあたって、『英語展望116号』でご寄稿いただいたことを思い出します。