こんにちは、ELEC録音スタジオです。前回はデータ納品時の規格についてお伝えしました。今回はCD作成には欠かせない「マスターCD」について知っておきたいポイントを3つ紹介します。
CDプレーヤー等での再生を目的とした、「CD」を作りたい!と思ったときに、まず必要となるのはコピー元となるCDですよね。私たちはこのCDのことを「マスターCD」と読んでいます。このCDは前述したとおりCDプレーヤー等での再生を目的としているので、「CD-DA」(オーディオCD)という規格で作成します。ここでCD-DAの規格について気を付けたいことを見ていきましょう。
・CD-DAでの最大トラック数は99トラックです。100トラック以上となる場合にはCDを2枚作成する必要があります。最大容量は約74分(650MBの場合)、約80分(700MBの場合)です。(ちなみにこの650MBの規格の決め手となったのはベートーヴェンの第9の演奏時間とポケットのサイズだったそうです…!)技術的には容量のギリギリまでデータを書き込むことが可能ですが、ご利用されるプレス工場によって補償対象となる分数が異なりますので、事前の確認をおすすめします。
・4秒未満のトラックは作成できません。4秒未満のトラックは無音を追加し4秒以上に仕上げる必要があります。タイトルコールのみのトラックや、単語や短い文のみのトラックがある場合には注意が必要です。
・CD-DAは基本的に文字データを書き込むことはできません。(CD-Textという文字情報を書き込む規格もありますが、プレス工場でエラーとして検知されてしまう可能性があります)PCの音楽プレーヤーでタイトルを表示させる場合には、製品版のCD(コピーされたCD)を用いてCDDB(Compact Disc Database)と呼ばれるデータベースへ情報を登録することで可能となります。インターネット上にあるデータへアクセスすることで、タイトル名やアルバム名が表示することができます。
規格上様々な制約がありますが、「マスターCDを作りたい」とお話しいただければ録音スタッフがCD-DAの規格に沿って作業を行いますのでご安心ください。
最後に、近年のCDメディアの需要減少に伴い、メディアの生産量も大幅に減ってきております。そのため流通しているメディアの品質にも影響が出てきております。ELEC録音スタジオでは、可能な限り最良のCDメディアを使用しマスターCDを作成、その後専用機で検品をしております。こうした状況の中でもまれにプレス工場にてエラー検知をしてしまい、再作成が必要となる場合がございます。万が一、プレス工場からエラーの話があった場合には、担当スタッフにご連絡くださいませ。